◇◆はじめに◇◆

天塩川流域では明治30年代に入植が進みました
ところが…
北海道第二の長流を誇る天塩川
度重なる水害に
1949年(大正8年)治水事業が検討されたことが始まりのようです

戦後、河川法の改正(昭和39年)に伴い本格化し
1966年(昭和41年)広大な天塩川水系全体に関係する治水事業の一部として
サンルダム建設が計画されたことから今日に至っています

◇◆Page Index◇◆
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サンルダム資料
パンフレット 書籍・資料 関連HP 関連地域情報 ダム知識
これまでの経過
1966-87 1988-92 1993-2005 現在 委員会傍聴記



◇◆サンルダム資料◇◆

□■パンフレット□■


北海道開発局 旭川開発建設部
サンルダム建設事務所
■本部  旭川市宮前通東4155番31
■事業所 上川郡下川町西町68番 
■URL http://www.as.hkd.mlit.go.jp 


tel(0166)32-1111
tel(01655)4-3634

     (2004.04発行)

other pege
[P2] 事業概要 [P3] ダム見取り図 [P4] [P5] 事業目的と効果


□■書籍・資料□■

●サンルダムの費用対効果について ・・・情報公開請求により提示される開発局資料
サンルダムの目的のうち洪水調節を取り上げ、年平均被害軽減期待額と建設費用・維持管理費用(50年)を求め、両者を比較することで事業の経済性を検討した結果が記されています。
30頁以上に渡る分析結果は専門性が強く、読解にはかなりの知識を必要とする内容です。
最終的には、経済効果の算定において、2.26>1.0とされ、妥当との判断がなされています。
●「公共事業と地域の自立に関する研究−北海道の現状分析をもとに」 ・・・北海道新聞情報研究所 出版
「第2節 事例1:天塩川水系サンルダム建設事業」の項にてサンルダム事業のいきさつが丁寧にまとめられています。(〜1998年まで)
●天塩川水系サンルダム建設事業 環境影響評価書(平成7年6月)・・・情報公開請求により提示される開発局資料
233頁に渡る評価内容と43頁の資料にて構成。特に魚種ではサクラマス(ヤマベ)を含めた6科10種が確認されていると報告されているが、着目すべき魚種としてはトミヨ(環境庁選定種;S53年)のみ。サクラマスは環境影響評価の対象となっていない。サクラマスは現在北海道レッドデータブックのRBDは留意種(N)、水産庁1998では減少種とされている。詳細
各章は以下の通り。
第1章;事業目的 第2章;地域環境の概要 第3
章;環境影響要因の把握及び現状調査を行う環境要素の設定 第4章;環境の現状 第5章;予測及び評価を行う環境要素の設定
第6章;予測結果の内容 第7章;評価結果の内容 第8章;環境保全対策の検討結果 第9章;住民意見の概要と事業者の見解 第10章;知事の意見及び事業者の見解
※第10章には平成7年4月20日に準備書について公害の防止及び自然環境の保全の見地から北海道知事に意見を求めたところ、このことについて特に意見はない旨回答があった、と記されている。
ダム貯水池の水環境Q&A なぜなぜおもしろ読本 ・・・盛下 勇/監修 財)ダム水源地環境整備センター/編著
見開き2頁構成のQ&A集(全77設問)で簡潔かつ初心者も理解しやすい内容。水環境との係わり、貯水池の水の動き、水質、影響と対策の4章構成で、全般的な知識が網羅されています。
●日本地理学会の機関誌『E-journal GEO
一般社会に向けて平易な言葉で情報発信することにより,地理学(者)が社会的貢献を果たすことを目的とした機関誌。
その中の第1巻2号のP89〜108では、「人間を幸福にしない地理学というシステム−環境ガバナンスの視点からみた日本の地理学と地理教育−」と題し、北海道大学小野有五教授による論文が掲載されています。特にP99からはサンルダムの問題、とくに基本高水流量の設定や、ダム計画の問題点を広く知ってもらえる内容です。

□■関連HP□■


あさひ川ネット;旭川開発建設部治水課
うち、サンルダムについて
コンテンツ 事業概要→天塩川水系・■ダム建設事業
天塩川流域委員会※2005.10より天塩川水系河川整備計画とwebタイトルがかわりました
平成9年('97)の河川法改正(図解はコチラから)により、これまでの工事実施基本計の代わりに、河川整備基本方針(長期方針)と河川整備計画(具体案)を定めることになりました。これを受け、北海道開発局は学識経験者等からの意見徴集を目的とした天塩川流域委員会を平成15年に発足しています。天塩川流域の治水対策として掲げられているサンルダム事業についても議論され、豊富な資料(PDFファイル)が置かれています。


□■関連地域情報□■


名寄市
下川町
名寄新聞社
あさひかわ新聞「編集長の直言」では、取材を通し感じたサンルダム事業のありかたに疑問がなげかけられています
2006年09月19日;「どさんこNGO」の活動と、サンルダム議論の"茶番"露呈
2006年07月11日;駐車違反の「車検NO」と、サンルダムについての読者の手紙
2006年07月04日;自家農園の「経済」と、「流域委とは何ぞや」の続き
2006年06月27日;8本のアスパラの味と、「流域委員会とは、なんぞや」の話
2005年05月24日;サンルダム計画の「あり方」から、私たちは何を学ぶ
2005年05月17日;サンルダム計画に見るーー 市民・住民の視点でモノを言うことの意味 -
2005年04月26日お役人の世界の「常識」で進むサンルダム計画
2005年03月01日;とてもとても、他人事ではないのですよ
2005年02月15日;勝手にホンワカして、サンルダムの話を
2003年09月02日;「Kiroro」のライブと無用のダムについて


□■ダム知識□■


財団法人 日本ダム協会ダム便覧2004
ダムの用語集など、ダムに関する一般知識の他、日本や世界のダムの紹介
京都精華大学人文学部環境社会学科WEB授業公開2003
第4回「ダムはなぜ環境と社会への脅威なのか」細川弘明氏
うち、第3項「ダムは本当に必要なのか」の中で
中国・三峡ダム建設の例を挙げながら、サンルダムのような多目的ダムについて、「巨額な建設資金の負担」や「多目的ダムの矛盾」とした内容を分かりやすく説明しています。
また、文中の説明には豊富なリンクがあり、リンク先の内容も充実しています。
青の革命と水のガバナンス
「青の革命」とは「水危機」を克服する為の考え方として、ダムによる水資源の開発よりもむしろ、土地利用、生態系、社会・政治システム、人間の心のあり方を含めた、水の合理的・合倫理的な分配・利用を実現することを目的としている、人文・社会科学振興プロジェクト。
青の革命データーベースには流域委員会データーベースが設置され、各地の流域委員会を定量的に評価、リンクしてあるので流域委員会の検索にとても便利です。



◇◆これまでの経過◇◆


□■建設が決まるまで(1966-87)□■



1966年、朝日町の岩尾内ダムと並び天塩川水系工事実施計画の対象となったサンルダムは、5年後に完成した岩尾内ダムとは異なり、地質などの予備調査はされたものの中断されていました。
80年代に入り、町の強い要望により予備調査が再開されたこと、1987年に天塩川水系工事実施基本計画が改訂され
「・洪水調節・上下水道用水・農業用水の確保」を目的としたダムとして建設が確定したそうです。

●堤高;48m ●堤長;369m ●型式;ロックフィルダム ●貯水量;4050万立方m ●総事業費;220億円




□■事業計画が決まるまで(1988-92)□■


1988年、町には開発局の「サンルダム調査事業所」が置かれ、建設に向け計画が具体化されていきます。町からは建設目的に水力発電も加味する陳情がなされました。
また、この頃の全国的なリゾート開発ブームもあり、ダム建設により付随した観光開発への発展が期待され、町からキャンプ場やダム湖にかかる橋の設置など様々な提案がされていたようです。
一方、地元より自然環境への影響を懸念した保全を求める声もあがっていました。
が、最終的には1992年12月国の新年度予算案にサンルダムが盛込まれ、「・洪水調節・流水の正常な機能の維持・水道用水の供給および発電」を目的とした多目的ダムとして建設が正式に決定しました。

●堤高;55m ●型式;重力式コンクリートダム ●貯水量;7300万立方m ●総事業費;480億円




□■着手を開始して(1993-2005)□■


町は地域振興対策や住民の居住や公共施設の整備など、ダム建設推進に具体的に取り組みを開始しました。 また、開発局は環境アセスメントを実施、地元より調査対象の動植物の追加や魚道の設置などを求められましたが、95年(平成7年)審議を経て知事に答申、完了とされたようです。 96年には地元グループによるダム建設見直し活動が活発化し、町民や開発局を巻き込んだ議論が行われ、「サンルダムに代わる公共投資について-天塩川水系の治水整備案」なるダム建設を見直す案が建設省・開発局・流域13自治体の首長に提言されました。 現在、2008年ダム完成を目指し、湖岸となる区域に植樹がなされたり、道道の付替工事が実施されていますが、堤高5m減に計画が変更され、ダム本体の着工は2006年度に延期されています。

●堤高;50m ●型式;台形CSGダム ●貯水量;7300万立方m ●総事業費;530億円(うち道税80億)




□■現在□■


サンルダムは天塩川全体の治水の一つとして計画され、現在、先に説明のある天塩川流域委員会により、検討されています。
※同委員会で話し合われた議事は全文ではなく要旨としてまとめられ、掲載(PDFファイル)されています。

第1回議事要旨 ・第2回議事要旨 ・第3回議事要旨 ・第4回議事要旨 ・第5回議事要旨
第6回議事要旨 ・第7回議事要旨 ・第8回議事要旨 ・第9回議事要旨 ・第10回議事要旨
第11回議事要旨 ・第12回議事要旨 ・第13回議事要旨 ・第14回議事要旨 ・第15回議事要旨
第16回議事要旨 ・第17回議事要旨(とりまとめ中) 

要旨では議論内容がつかめないため、全文公開をお願いした道内13の市民団体では上記の議事要旨を不服とし、議事全文を文章に起こし傍聴記として作成しました。
第9回天塩川流域委員会傍聴記  (PDFファイル 352KB)
第10回天塩川流域委員会傍聴記 (PDFファイル 464KB)
こうした多大な労力を伴う取り組みも天塩川流域委員会には届かず、全文公開を求めた再度の申し入れも事実上棄却されたことから、2006年2月より北海道開発局に対し、『行政文書の開示請求』を行い当会のHP上で議事全文を公開しています。
※議事全文に当たる
『天塩川流域委員会テープ起こし(発言者未確認の作業過程のもの)』コチラのページから。委員の方々の生の声をご覧頂けます。
第8回では、北海道開発局よりダム案を前提とした天塩川河川整備計画(原案)が示され、同委員会ではこれに沿った議論がなされようとしています。
その内容は、多角的な検討や、より専門的な第3者のアドバイスを求める姿勢も見られず、出された単発的な意見に対し事業者サイドの説明を受けるに終始しています。
そのあり方には、当会を含めた道内13団体から改善要望を求めたり、一部の委員からも疑問声が挙がっています。
また、天塩川下流域に漁業権をもち、同委員会のメンバーでもある北るもい漁協より、ダム本体着工へ事実上反対されており(第5回委員会にて表明05.02)、北海道開発局は同漁協の同意なしにダム本体の着工をしないと方針を示しています。
が、道道の付け替え工事は、河川への影響がないとし、地元の下川町の強い要望踏まえ、漁協が容認したことから、一時見送られていた入札、工事は再開されています。

●堤高;約46m ●型式;重力式コンクリートダム ●貯水量;5730万立方m ●総事業費;未記載
※天塩川河川整備計画(原案)2. 2-1-1(1)洪水時の流量を調節するための対策 より抜粋



□■参考資料□■


●「公共事業と地域の自立に関する研究−北海道の現状分析をもとに」
北海道新聞情報研究所 出版
●あさひ川ネット
旭川開発建設部治水課 HP
●ダム便覧2004
財団法人 日本ダム協会 HP 他
 

□■サンルダム(完成予想図)□■

日本ダム協会HPより


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